「智也くん、少し話ししたいんだけど………いい?」
センター試験を控え、今日は創立記念日だったが、多くの三年が登校していた。
俺もそのうちの一人で、まずはセンター試験に向けての説明会が行われる。
説明が終わった後は帰る人もいれば、残って勉強するやつもいる。
すぐ帰るのもどうかと思い、残って勉強していると。
「あ、あの…智也くん」
この間、初詣で会った若槻に話しかけられた。
初詣で会って以来、若槻は俺に構ってくることはなかったし、先生たちに綾ちゃんのことを話してるわけでもなさそうだった。
だがそれと関係してる話だろうと思い、俺は若槻の言葉に反応を示す。
「何?」
「あ、えっと……なるべく人が少ない場所がよくて」
若槻は周りを見た後、どこか気まずそうに言ったため、空き教室へと場所を変える。
教室に入って、少し静かになった後。
若槻が口を開いた。
「あの、智也くんは…黒崎先生とどういう関係なの?」
そんな話だろうと思っていたから驚きはしない。
ただ、どんな関係と言われたら俺もわからない部分はある。