ケータイ小説 野いちご

世界中に続く空

世界中に続く空

世界中に続く空。世界中を覆う空。

空の下ではいつも誰かが息をしていて、それぞれの生活を送っている。
 
彼らは知らない。

同じ空の下で暮らしているのに、全く違う生活を送っている人がいることを。

彼らがぬくぬくと布団に包まり夢を見ている頃、いつ殺されるとも知れぬ恐怖に怯え、息を潜め、眠れぬ夜を送っている人がいることを。
 
親友の一樹は、少し長い茶色の髪を揺らしながら笑う。

「世の中、平和だよなぁ」
 
たまり場にしている屋上で、売店で購入した紙パックのりんごジュースを口に含み喉を潤わす。

< 1/ 9 >