先生の告白から1週間が経った。あの日以来先生と話す機会はなく、私は心の中で安心していた。
「結衣顔色悪くない?」
「朝からお腹痛くて...」
変なものでも食べたのだろうか。私は朝から腹痛に悩まされていた。
「保健室行く?」
「うん、そうする」
「ついていこうか?」
「3時間目始まっちゃうし大丈夫だよ」
「うん...」
そして私は保健室に向かった。


「失礼します」
保健室の先生は見当たらなかった。
「まぁいっか」
横になろうと私はベットに向かう。ベットのカーテンを開けると
「うわっ!何やってるんですか!」
そこにはベットで寝ている久雅先生がいた。
「んー?あぁ寝てた」
「え?」
「今日3時間目俺授業ないから休もうと思って」
「なんでここで...」
「遠野は?」
「お腹痛いから寝かせてもらおうと思って」
「は!?」
先生はベットから飛び起きた。
「早く言えよ!ほら、寝ろ!」
そう言って今まで自分が寝ていたベットを差し出す。
「あ、じゃあ」
私はそのベットに横になる。この温かさは先生が今まで寝ていたからだと思うとドキドキした。
「大丈夫なのか?」
「まぁ少し横になれば大丈夫です。保健室の先生は?」
「なんか出ていった。ていうか居ないの分かったから俺がここで寝てたんだし」
あぁ、なるほど。というか先生がサボってていいものなのだろうか...。
先生は横になっている私の顔を見続ける。
「あの、そんなに見られると寝られないんですけど」
「いや、好きな子の寝顔とか貴重だなって思って」
またそんな軽口を叩く。
「はいはい。そういってる先生のせいで寝れないんで早く職員室に戻ってください」
「ふーん」
先生は私の体に覆いかぶさった。
「俺がいるから寝れないんだ」
「ばっばかっ!」
私は布団を被り、赤くなった顔を隠す。
「早く出て行って!」
「はいはい」
先生の足音が小さくなっていく。そして扉から出て行く音が聞こえた。いつのまにかお腹の痛みも無くなっていたが教室に戻ろうとする気はなく、私はそのまま目を瞑った。
「いい加減にしてよ」
先生と話すと胸の高鳴りが治らない。それが嫌だから先生とは話したくない。その気持ちもあるはずなのに、今先生と話せたことを嬉しいと思っている自分もいた。