暗闇の中、1人の女性が現れる。
「蓮花。お母さん、少しだけ出かけてくるわね。良い子にして待ってなさい。」
その女性はそう言うと、暗闇の奥底へ消えていく。


「お母さん!お母さんってば!!やだ、行かないで!!嫌ーーーーーーーーっ!!」


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また、あの夢か…。

お母さんが居なくなったあの日の夢。

私、蓮花は小学六年生だった。

あと少しで中学生になって、制服を着てお母さんと

写真撮るんだって楽しみにしていた。

私が3歳の時、お父さんが病気で死んだ。

その頃から女手一つで私を育ててくれていたお母さ

んの事が、かっこよくて大好きだった。