俺は恋をした。とっても変な女に。


あいつに初めて会った時の第一人称は“変”だ。でもとにかく笑顔が可愛いとも思った。


いつもぱっちりと開かれた目は笑う時だけ細くなる。ぎゅっとあげられた唇の隙間から覗く歯は今まで付き合ってきた女の中で一番きれいだった。


『橘くん?どうしたの?』


『顔にクリームついてる』


俺はクリームを人差し指で拭き取った。

あいつ…俺の彼女のあいつは知花。


『ちょ…!?』

男慣れしてない知花は顔を真っ赤にさせた。

多分クリームを拭いた時に俺の顔と知花の顔が近づいたからだと思う。知花の反応一つ一つが新鮮で見てて飽きない。


『どした?なんかある?』


『………何もないけ、ど…』


『どしたよ?サンタさんにお願いでもするか?』

『………なっ…!?』

知花の顔はさらに赤くなった。

俺がこいつを変だと思った理由が赤い服着たぷっくりおじさん…サンタさんにあるからだ。