ケータイ小説 野いちご

鷲高の王と囲われ司書

王様の孤独


期末試験期間が終わって、数日が経った。
7月も半ばに差し掛かろうとしていて、もうすぐ夏休みだ。

そろそろ期末の答案が返されたりする頃かなぁ、と、矢吹くんたちの結果が気にかかる。
最初に学習室を使いに来た日以降も、ほとんど毎日、他の子たちを伴って勉強(正確には回答の暗記)に来ていたから、努力が報われているといいなぁ、と思う。

‥‥けれど、そうやって気にして待っている時に限って、矢吹くんはやって来ない。

最後に彼がここに来たのは、全教科の期末試験が終わった日だから、3日ほど前のことだ。

(‥‥まぁ、試験が終わったら補講期間だし、休んでる子も多そうだもんね)

期末試験の期間が終わって以降、目に見えて校内にいる生徒の数が減ったから、もうみんな夏休み気分なのかもしれない。
ただ、貼り紙が張られたあの日から、矢吹くんはほとんど毎日、この図書室に顔を出していたから、来ないと何となく気にかかる。

「‥‥いや、でも別に、会いたいとかじゃないし!」

何故か自分に言い訳するように、思わず口に出してそう言っていると、図書室の扉が勢いよく開いた。



< 59/ 218 >