ケータイ小説 野いちご

鷲高の王と囲われ司書

交渉決裂?


それから土曜日までの5日間は、初日が嘘みたいに、平和だった。

最初の2、3日は、たまに生徒達が図書室に来て、私をじろじろ眺めてきたけど、そんな時は決まって誰かがこう言うのだ。

「矢吹さんが目つけてるらしいから、手出したら殺られんぞ」と。


矢吹くん――茶髪の男の子。この学校の王様。

彼は一体、どういうつもりなんだろう。



初日のあの日以降、矢吹くんは図書室には来ていない。

でも、姿はよく見かける。図書室の窓からは、校舎別棟の屋上がよく見えるけれど、矢吹くんはよく、そこで同級生らしき数人のお友達と話をしたり、ご飯を食べたりしている。

特に、知的な雰囲気のメガネの男の子と、背の低い、可愛らしい感じの男の子の2人とは仲が良いのか、頻繁に屋上で一緒にいるのを見かけた。

たまに窓越しに目が合うと、矢吹くんは決まって、少しだけ口角を上げて笑いながら右手を挙げる。

その度に、私は慌てて目をそらすけど、内心、彼のことが気になって仕方なかった。



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