ケータイ小説 野いちご

鷲高の王と囲われ司書

プロローグ(莉王side)


私立鷲尾高校、通称「鷲高」の校舎別棟。

午後6時半、もう大半の生徒も帰って静まり返った校内に、低く単調に数を数える男の声と、複数の、悲鳴のような声が響いている。

「‥‥13、14、‥‥15」

「うあぁっ‥‥」
「ごほっ、げほっ、」

「16、17」

「ひっ‥‥ゆ、許してくださいっ‥‥!すみませっ、でしたっ‥‥うわぁっ!!」

「18、19、‥‥20。お前で最後?」

問われた男は、床に転がる自分の仲間たちと、目の前の男を交互に見ながら、目を見開いてガタガタと震え出した。

「‥‥新興のガリ勉校のクセに、反則技使ってうちの奴ら病院送りにするとは良い度胸してんなァ?あァ?」

「す‥‥すみませ、‥‥俺らは、頼まれただけで、鷲高に奇襲かけろって、それで、」

「自分は下っ端だから責任ないって?‥‥さっきまでの威勢はどこいったんだよ、なぁ」

「ひっ‥‥!!」

大きな黒い影が動く。首根っこを掴まれた男は、震えをますます大きくさせながら、怯え切った目で、自分を捕らえる男ーー矢吹莉王を見上げる。


「‥‥お前んとこのアタマに言っとけ。次ナメた真似したら戦争だ。‥‥鷲高のシマを荒らすんじゃねぇってな」



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