それから約2週間。

高校生活にも慣れてきて毎日楽しい日を送っていたある日の事、朝起きるといつもはこの時間に出掛ける事なんて滅多にないお母さんが出掛ける支度をしていた。

こんな事珍しく「どこか行くの?」と聞いてみれば



「小梅、今日お母さん外せない用事があってあんた夜1人になっちゃうのよ」



と忙しなく動きながらお母さんが言った。

「1人⋯?」

「ええ。おばあちゃんが骨折しちゃってね。それ以外はすごく元気なんだけど心配だから2日くらい様子見て来るの。その後はお母さんのお姉ちゃんが見るの代わってくれるっていうんだけど⋯」



今お父さんは短期の出張で明日まで家を留守にしている。
つまりお母さんが家を空けると私は1人になってしまうのだ。




「えー、やだよ⋯」



情けない事に私は料理なんてちっとも出来やしない。
というか、家事全般苦手な為お母さん頼りの今、おばあちゃんの事は心配だけど家を2日も空けられると物凄く困る。




でもおばあちゃんも心配だし誰かが補助してあげないと大変だもんね、仕方ない。2日間どうにか頑張ろうと思っているとお母さんから思ってもみない言葉が飛び出した。