その翌日、きょーくんが彼女と別れたという噂は学校中に広まっていた。
「小梅の幼なじみモテるねー?今日告白した人数5人だよ」
「知ってるよ⋯」
目の前に座りお弁当の卵焼きを頬張りながら意地悪くそう言ってくる千紗にプクっと頬を膨らませる。
「でもまだ誰とも付き合ってないみたいね」
「うん⋯。でもきっとすぐ新しい彼女出来ちゃうよ」
きょーくんだって付き合って来た人誰彼構わず付き合うわけじゃない。
節操がないのはないけど、彼女がいない期間もあるわけで、昨日別れて今日新しい彼女が出来ましたって程そういう事に奔放な訳ではない、はず。
だけどいつ新しい彼女が出来てしまうのか分からないこの期間は、
今度こそきょーくんの運命の人が現れてしまうかもしれないこの期間は、
きょーくんに彼女がいる時とはまた違った苦しさがある。