ケータイ小説 野いちご

学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です

6 真っ直ぐな気持ち



【 時雨 円side 】


………

……




学校を出たあと、トラの家に向かって歩き出す。

学校からトラの家までは徒歩10分。

そこから更に5分ほど進むと俺の家もある。


美麗と和真の家は 全然別の方向だから、高校に入学するまでは二人の存在すら知らなかった。

……いや、入学したあとも しばらくは知らないままだったか。


SNSで人気の「唐草 美麗」という女子高生…じゃなくて男子高生、早乙女 和真と知り合ったのは高校2年生になってからだ。

その縁…というかなんというか、俺の壮大な勘違いから生まれたのが 和真の姉の早乙女 美麗との出会いだった。


お互いに第一印象は最悪だったと思う。


あの日の俺は「唐草 美麗」に会えるかもしれないと一人で馬鹿みたいに浮かれていた。

なのに目の前に現れたのは、不機嫌そうな顔をする まっっったく知らない女。

当然「はっ?」って気分になるし、美麗を連れてきたトラに対する怒りも感じた。


……トラは「同じ学年に美麗という子が居る」って教えてくれたし、わざわざ連れてきてくれた恩人なのにな…と今は思う。

でもあの時はそういう考えには至らなかった。


美麗は何も悪くないのに、俺は酷い言葉をたくさん言った。

トラに対する怒りを、目の前に居る美麗にぶつけてしまったんだ。


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