これは、ヨーロッパにある学園の物語。

ヨーロッパのある国の森の中に、特別な学校が存在する。その名は、M学園。初等部から高等部まである全寮制の学校。

その学園に通っているのは普通の人間ではない。とても貴重で、人間にその能力を隠している者たち……。

魔女や魔法使いとしての才能を認められた者たちだ。



「シャーロットさん!僕と、結婚を前提に付き合ってください!!」

放課後の教室、夕暮れが全てをオレンジに染める。

身長がとても高くスラッとした体型の美しい女子生徒が、少し背の高い男子に告白されていた。男子の顔は赤く染まっている。

しかし、女子生徒が「はい!」と答え、男子生徒に抱きついてキスをするーーーという結末ではなかった。

女子生徒の顔は無表情で、告白されているというのに冷め切っている。そして、口を開いた。

「あなた、成績は上から何番め?」

男子生徒は、予想もしていなかった言葉に戸惑う。

「……えっと……真ん中ぐらい?」

そう男子生徒が言うと、女子生徒は大げさなほどため息をついた。

「ダメね。あなたは恋愛対象ではない」

そう冷たく言い放ち、女子生徒は男子生徒を教室に残して出て行った。

この女子生徒が今回の主人公ーーーシャーロットだ。

シャーロットは、とても強い魔法使いと魔女の間に生まれた子供で、学園で一番の成績を持っている。

魔法界においても、シャーロットより強い力の持ち主はいないと言われ、魔法使いたちの希望と密かに言われている。