司郎さんは既定通りの事しかしない。

公園のジャングルジムが取り壊しにならない様に何か良い手が無いか悩む彼。亡き家族との想い出のジャングルジム。ペンキで明るく見える様に塗ってみた。それでも遊ぼうとする子供は現れなかった。彼は隣の幼稚園の禽舎を見た。小桜インコが幸せそうに眠っていたから。
これは司郎さんがゴールデンチェリーを飼う子供を探す話である。
ゴールデンチェリーに関する知識を書物やネットで知り、ブリーダーをあたるかと想って居た彼に、募集をかけていた子供(男女一人ずつの小学生)のあてができた。
子供独特の勘で「ゴールデンチェリーが居るかもしれない」と、子供達と一緒にショップめぐりをする。
何軒か目ぼしいショップをあたったが、ブリーダーの方が「ありえそう」だったので彼が片っ端からあたってみた。
ジャングルジムに網を貼る許可は貰っていたので、逃げ出せない様に頑丈に網を貼った。
春、あるブリーダーから、さし餌を終えた雄のゴールデンチェリーを手にいれた。
彼は子供達と既定を結んだ。
金銭面は司郎さんが全額負担する事。
世話は全て子供達がする事。
怖がらせない程度に3人がゴールデンチェリーと遊べる事。

司郎さんは規約通りの手だししかしない。

順調に飼えだした頃、常春の地域とはいえ、1羽では、寒そうなので番を探しに行く。
本当は最初に極上の手乗りにするか、仲むずましい番にするか揉めた。
運動面積を多くする為に、ボッチで居眠りこいてるよりも、縄張り争いしてる方が身体に良いと想い、最初の誓いはさることながら番を飼うことにした。
最初は番はノーマルグリーンにした。
2羽は最初は仲が悪くぷんぷんしていた。
お世話や遊びに来る子供達や司郎さんにはなつくものの、想った通り「縄張り争い」をして運動をきちんとしている。
そんな彼等の素敵な生活が続いた。そんな時。

先にゴールデンチェリーを飼おうとしていた、三郎さんが、司郎さんのゴールデンチェリーを盗もうとして、徘徊してる途中に、子供達に見つかり誘拐は失敗する。

三郎さんは、どうしてもゴールデンチェリーを飼いたかったから、この運命共同体に「混ぜてくれ」とお願いする。
司郎さんは嫌そうな顔をして居たが、子供達が司郎さんと必要経費を折半してくれ且つ、子供達の躾のとおりに従ってくれるならと、おれた。

こうしてゴールデンチェリーとノーマルグリーンは4人に愛されるのであった。