踊ってる、やつがいた。

なにやってんだ? と、思わず立ち止まる。

同じ高校の制服。背の高めな女子。ネクタイが同じ色だから一年。

さっきからぴょこぴょこ跳ねている。

なんだろう、役者見習いで演技の練習でもしてんのか?

何故か目が離すに離せず、少し離れた位置からじーっと見ているけど、そいつは俺に気づく様子はない。そんだけ集中しているのか。

けど、なんか――引かれる。

「あー……また落ちちゃった……」

「なんか探してんの?」

引力のまま歩み寄り、声をかけていた。