<朔夜side>


「朔夜!」


「……ドア、ノックしてよ」



ノックせずに勢いよく入ってきた俺の双子の妹。


だけど、いくら言っても聞かないので、俺が慣れるしかない。



「今回は何するの?」



俺の経験上、月那が勢いよく入る時は大抵、月夜として何か動く時だ。



「よーく聞いて!桜蘭潰せる!」


「まじで?」



なずなの敵討ちできるのか……!?


さすが、今回も月那の作戦を忠実に実行すれば成功する。


月那の頭脳だったら、俺は全面的に信用できる。



「今回も月夜としてなんだけど、少しいつもと違うから」



そう前置きして告げられたのは、とんでもないことだった。