<朔夜side>


「スマホ持ってるでしょう?」


「うん?」



突然の言葉に俺は首を傾げながらも頷く。


もちろん月那も持っている。


月那と同じ時に買ってもらったから、月那がわざわざ尋ねなくても分かる話だ。



「けど、あなたはスマホ依存症にはなってないでしょう?」


「そうだな」



スマートフォンをいじりながら移動する生徒を多く見かける。


食事中なのにスマホをいじる人も中にはいる。


俺には不可解なことだ。



「クスリも一緒なのよ」


「……!」


「違法薬物を飲んで依存症にならなかった人も中にはいるのよ。依存性が強いのもあるし、もちろん個人差だってある」



アルコール、ギャンブルだってそれと同じだと月那は俺の目を見た。


その目を見てたら俺は何か間違ってしまったのではないかと思わずにはいられなかった。