「なゆはほんとさゆに似てるな」


「だって私の妹ですから」


なゆと景のやり取りを見て、晃くんが軽く息をついていた。


高校生の頃の私の台詞と、なゆの言葉はどこか似ているかもしれない。


お母さんやお父さんたちは、なゆと景が一緒になる未来を夢見ていただろう。


でも、私も晃くんも、なんとなく気づいていた。景はなゆのことを女の子として大事にしているけど、なゆは景に対してそれがない、って。


でも、なゆが言った通りだったんだろう。


なゆの中で景の存在は特別過ぎて、好きって感情を簡単に名付けられなかった。


好きって感情を越えちゃっていたのかもしれない。


生まれたときから、存在が近すぎたのかもね。


それでも、こうして二人が恋人になって、未来を描いて。


なんか、私まで晃くんのことをもっと好きだなって思っちゃうな。


……そんな私と晃くんのたからものたちは、どんな未来を描くのかな?


楽しみだね、晃くん。




END.