「まさか同じ日に生まれるとは思ってなかったわ」


「なゆー、未来の旦那様だよ~」


「こ、小雪さんっ。いくらなんでも早すぎるよっ」


「なんだ、兄さん。うちはいつでも菜雪(なゆき)を景(けい)の嫁にもらう準備は出来てるぞ?」


「生後二週間で何言ってんだお前はっ!」


賑やかなのは、私と晃くん、両方の両親だ。


再婚したお母さんとお父さんたちに子どもが生まれたんだ。


お母さんとお父さんの間に、私の妹、奏子さんと光司お父さんの間に、晃くんの弟が。


同じ日に生まれた二人は、血縁上も従兄妹になるわけだ。


そして……。


「由羽(ゆう)、仲良く出来るかな?」


晃くんの腕の中で眠る由羽の頬をつつく。


結婚した私と晃くんの間にも、二人より少しだけ先に息子を授かっていた。


「自分より年下の叔父と叔母ってどうなのかしらね?」


「ややこしいからいとこで通しちゃっていいんじゃない?」


そんなことを話す私たちの両親。


私の隣の晃くんは、今日も穏やかに微笑んでいる。


そして二年後、もう一人、娘、羽咲(うさ)を授かった。