「大ちゃん、浴衣似合うね」


「舞もな」


夏祭り当日、舞に言われた通り浴衣を着た俺はすでに汗びっしょりで少しうんざりしていた。


でも舞の浴衣姿をみたらそんなの吹き飛んで。


よほど浴衣を気に入っているのかくるりと一回転した舞が転びそうになるのを俺は受け止める。



「おい、気をつけろよ」


「ごめんごめん。つい回りたくなっちゃって」


ほんと危なっかしくてほっとけない。


下駄なんだし回ったら危ないことくらい想像つくだろうに。