👑Emperor bride

その夜。


「琴乃様、王妃様がお待ちです。」

チャンクとカードゲームが終わり
チャンクが部屋に帰った後メイドの
一人サラが申し訳なさそうに
言って来た。
琴乃もサラに気を使わせて、
いたのかと申し訳なく思う。


「うん。サラゴメンね。
　殿下の奴なかなか帰らないから
　気を使わせてしまったわね。
　一人で行くからあなたは休んで。」

そう言うと軽い桃色のショールを
肩に掛けて迎えの王妃の使いと
一緒に部屋を後にした。

王妃の話は大方察しがついていた。

チャンクとの別れ話だろう。
何回かエレベーターを乗り換え
そこで目隠しをされた。
此処からは限られた人物しか通れ
ない様になっているらしい。

「悪く思われませぬよう。
　ここからはご家族のみのお部屋で
　ございます。
　本来ならば本妻であられる御方
　つまり第ー夫人のみ入室できる
お階の部屋ばかりで御座います。

　御妾様、は、ご遠慮いただいて
おります。
　ですが国の一大事ゆえお召しで
　ございます。」

「あーはいはい！愛人は来るな
テキナ？
　でも私、愛人ではありません
勿論、妾でもない!。
　少々失礼と思いますｹﾄﾞ。」

メイドの８０歳位のオバチャンは
言葉は丁寧だが、敵対心　
丸出しだった。

エレベーターに乗り目隠しされ
右に左に歩かされ目くらまし的な

暫く歩くと大きな煌びやかな
ドアの前に立っ。

　　　「お連れしました。」
オババメイドは目隠しをやっと
取ってくれた。

「入りなさい。」
ドデカイ扉を開け中に足を踏み入れ
琴乃は挨拶をする。

「王妃様、琴乃と申します。
　お見知りおきくださいませ。」

少し離れた場所から声がする

　「夜分の呼び出し、申し訳なく
　　思います。

外に漏れて欲しく無い話ゆえ
こんな時間に呼び出しました。」

フーッとため息をつかれ琴乃も
いい気はしなぃ。

「単刀直入に言います。
　チャンクの事は諦めて欲しいのよ。
　チャンクが手元に置きたいのは
良く分かる。
　あなたは本当に綺麗だわ。」

予定通りの構成に笑いさえ浮かぶ。

「もとよりそのつもりです。
　王太子殿下とは昔の友人です。
　それ以上、以下でも有りません。
　早く城の外へ解放して頂きますよう
　お口添え下さいませ。」

王妃様は少々ポカーンとされていた。

　「では、皇女ミリアンとの婚礼も
　　知っておるのか？
　　よいのか？婚礼の前3ケ月は、
　　城に籠もり置く。
　　つまり、皇女に操をたてるので
す。
　　お前との関わりも一旦切れ
ますよ。分かっておるのか？」


　　
「王妃様。
　私は王太子殿下の事がずっと
気がかりでした。
　しかし、御立派に成られました。
　それだけで満足なのです。
　妾なんかになったら両親が泣きます。
　とんだ親不孝者です。」
　　

「本当に良いのだな!!
　婚姻の夜は必ず渡りがあるのだ！
　取り乱さぬよう心得よ。」


　　「そんな長い期間居りません。
　　　直ぐにでも出たいのに‥。」

プウッと膨らんだほっぺをみて
王妃は目を膨らませ笑って言った。


「皆、殿下を欲しがるとゆうに
　お前は妾でも、あの子は一番に
思っておるようですよ。
　お前が望めばあの子は、宝石でも、
服でも
　用意出来ぬ物は無いのだぞ。
　それ以上何を望むのだ？」


「イエイエ、わたくし達は友人で
す。
　妾様ではありません。」
　　　　　　ﾅﾝﾄﾞﾓ言ｯﾃﾝｼﾞｬﾝ。

いい加減分かれ‼

「ん？何か申したか？
何語だ？」

「いえいえ、何も言ってませー
ん。」
チッ‼