ホント、何でこんな嘘吐きで我が儘で可愛げない私を愛してるとか宣言できるのか、気が知れない。
でも、この君の体温が本物だと思うと、堪えてた涙が流れそうで、考えないように、窓の外の景色へと目を反らす。
その視線の先の校庭では、皆が笑い合って最後の友達との帰路を歩いていた。
『愛してるとか馬鹿馬鹿しい…
何で、私なのさ?』
何て、可愛げない減らず口ばっか言ってしまう。
こんな私でも、君は、愛してくれるだろうか?
『何でって、俺が決めたのに理由なんて要らないだろ』
ホント、俺様過ぎて、腹が立つ。
こんな奴の事、何で、好きになったんだろ。
でも、今はこの言葉が嬉しくて仕方がないよ。
『私も好きだよ』
『俺は好きじゃなくて愛してんだよ。
お前は違うとか許さないから』
『分かった分かった…愛してますよ…ハイハイ』
『気持ちこもってない』
『ウルサイ黙れ』
『…』
『いや、ホントに黙るの!?』
『今、お前のお願い聞いたから、次は俺の命令聞け』
『へ?』
『俺の、側に一生居ろ』
『当たり前だよ…そんなの』
そう言いながら、私はついに泣いてしまった。
『そんなに嬉しいのか…だからって、泣くなよ』
そう言いながら、君は私の頬に流れる涙を手で拭き取ってくれる。
『そーゆー泣きじゃありませーん』
減らず口を叩くけど、絶対に顔、緩んでるな。
何て、思いながらも言ってみる。
『ハイハイそーですか』
そう言いながら、君は、抱き締める力を少しだけ強くした。
私達の下らない減らず口の叩き合いはもう少し続く。
そして、毎日のように行われて、終わりを知らない。