『これ…落としたよ…』
後ろから声がして振り返るとそこには…
『あ、先輩…』
不思議ちゃんならぬ、不思議くんで有名な先輩が居た。
『“そこには何も無く、先輩に話しかけられたのは幻聴だと思えてきた”』
『え!先輩!?』
私が思った事を何故か先輩はいとも簡単に言い当ててしまった。
『“先輩って…もしかして…不思議くんじゃなくて…変人…?”』
又だ。
私は呆然と口を開けて立ち尽くした。
『“又、言い当てられた”』
もう!先輩!何なんですか!?
私はこう言う風に、考えている事を当てられるなら、大声で言えないような事を、考えて先輩に伝えれば良いと思った。
『何って、君が分かりやすいだけ。
因みに落とし物はこれ』
そう言って、先輩は差し出していた手と反対の手から私のハンカチを取り出した。
『別に俺は、君が思うような変人ではないかな~』
今理解した。
先輩は、変人じゃなくて、人の心を読める意地悪な人だ。