『はぁ…困りましたねぇ…』
『そうですねぇー…』
私達は旧校舎に、人が来ていると言う噂を聞き付けて、叱りに来たのだ。
『何だか、昔の私達みたいで、叱るに叱れませんね…』
『何の事でしょうか?
俺は、何も見ても聞いてもいませんよ。
俺は、お腹が空いたので、職員室でお弁当食べますけど、昔みたいに食べます?』
『他の先生方にバレると面倒なので、家に帰ってからにして下さい。
今日はそちらの家に向かって、夜ご飯作りますから。
今日、確か、早く帰れる非ですよね?』
『そうです。
帰ったら家で待ってます。』
『では、私は少し、教室に用事が有るので…』
『では』
素っ気ない二人の間にも、心の中には、幸せな笑い声が響いていた。
そして、何故か誰も、この二人の婚約指輪が同じデザインという事に気が付かないのだった…