『忘れ物に今更気付くとかお前は抜けてるな』
『すみません…
音楽のノート何てほぼほぼ使わないので、ファイルから抜けてたのに気付かなかったんです…』
『言い訳は良いから取ってこい』
『ガチャっ…』
そう言いながら先生は音楽室の鍵を開けて、音楽室へと入って行った。
『バタンっ…』
私は後ろ手に音楽室特有の重くて分厚い扉を閉めつつ音楽室の中央へと進む。
『先生。さっきの嘘です』
『は?』
先生は私の言葉が理解できないような顔をしてそう言った。
『その…二人っきりに成りたくて嘘をつきました。
すみません』
本当、自分勝手だなと思いながら、私は気まずい気持ちになり、うつむく。
『なぁ…そーゆー事マジで辞めてくんない?』
『すみません…』
私は更に罪悪感にかられる。
『二人っきりに成りたいとか可愛い事言うな…
俺も男なんだからな…』
『え…んっ!』
『チュッ…』
『こーゆー事
したくなっちゃうだろ?』