君は優しかった。
いつも笑顔で俺の手を引いて連れてってくれた。ねぇ、もう君が目指す所はないの?俺が困る程遠くへ連れてってよ。
ねぇ、俺が手を繋がれてどれだけ嬉しかったか知らないよね?教えたいから戻ってきてよ。
ねぇ、ねぇ。ねぇ、って君がよく言ってた。俺も使うようになったよ。
ねぇ、まだ待たせるの?いつも早く早く!って俺の手、引っ張ってたじゃん。もう、おしまいなの?
ねぇ、君は俺がこれだけ呼んでも何で来ないの?君が好きだったゲームも突拍子もなく書いた手紙も…まだ、持ってるよ。用意してるから来てよ。
君はもう、ここには居ない。
わかってる…でも…お願い位させてよ…一言、言わせてよ…
今も…昔も…ずっと俺は…君の事が…
『俺は香澄の事が大好きだよ。』
そう言いつつ花束を俺は君の最後の場所に置く。
『君のせいで俺…花束濡らしちゃったじゃんか…速すぎるんだよ…
まだ、何にも伝えてねぇよ…』