『あ、おはよ』
『お、おはようゴザイマス!?』
あきらかに二人のテンションは食い違っていた。
それもその筈、結局昨日、気持ちを伝えられる事も伝える事も無く、帰ってきたのだ。
そりゃあ、私のテンションがおかしくなるのも無理ない。……筈。
なのに何故かいつも意地悪な琢夜はいつも通りの取り澄ました笑顔で普通に挨拶をした。
(昨日のは夢でした!何て、事ない筈なのに…何で?)
実際昨日、渡したチョコは朝起きてから通学鞄を何度か弄ったものの何処にもなかった。
しかし、琢夜の為にチョコをわざわざ作ったのだ。
渡してないのに無いなんてことまずまず無い。
自分でも考えててこんがらがってきた。
(もう!忘れてしまえ!)
こうして私は普通に過ごす事を決意したのだった。