『おいお前帰らないの?
お前のお母さん達下で待ってたぞ?』

今日は卒業式
思い出と苦い心残りが少し有るこの学校と…誰かさんとお別れをする日

『昇降口混んでるからヤダ』
『お前なぁ、わざわざお前のお母さん達はお前のために…』
また、ほら、いつも通り
でもこんなグチグチ説教を言う君の言葉でさえ最後なんてちょっとだけ悲しいな
『君、何でそんなにグチグチ言うの?
今日、もう最後だよ?
もう、会わないんだよ?
いーじゃん、わざわざとかもう…さ』

少し違う意味も含むなんて彼は知らないのだろう

『そんなこと言うけど…
俺は今日を最後する気はないけど?』

『え?』




『俺はお前と離れたくないぐらいお前が好きだから今日を最後になんかしない』




『えぇー!?』

『俺、今のわりと本気だから覚えとけよ?』

最後の日が遠退いて、只の日常でもなく、甘い生活のスタートとなった
そんな、卒業式。