『…』
彼女の手は、微かに震えていた
俺は彼女のマネージャー
彼女は人気なソロのアイドル
俺らは昔っからの腐れ縁
今は彼女のライブ前
『何だ、緊張してるのか?』
『あ、当たり前でしょっ!?
こっちはあんな奴と…戦わなきゃ…いけないん…だから…』
彼女の今回のライブは対戦形式だった
相手は、姑息な真似で彼女を陥れて来た奴
怯えるのも仕方ない
対戦相手の上っ面のみの良さと裏の差は俺も理解している
でも、本当に良い奴…そう、彼女ならば、こんな奴なんかより、実力と…

天性の可愛さと魅力で惹き付けれると思った

『お前、こんな奴にビビるとかひ弱かよ?』
『っ!?…』
『お前はそんなに弱い奴なのか?
そんなに実力が無いのか?…
違うだろ!!』
『っ…』
『俺はお前を信じてる…行ってこい!
そして、ぶっ倒して来い!!』

そう、彼に背中を押された
いつもそうだ
きっと、昔も、これからも
彼には敵わない