私が唯一の財産であった別荘に住みはじめてから数日がたった。


休日のこの日は、私と翔さんだけでなく、悟さんと誠さんと薫くんと匠くんもいた。


私が、別荘にあるすべての部屋を掃除し終わったとき、翔さんが突然声をあげた。


「あー、今日、俺が通う大学の文化祭だわ」


文化祭?


こんな暑い時期に?


普通は、春か秋に文化祭をやるんじゃないの?


私が高校に通っていたときは、文化祭は秋にやっていたんだけどな。


真夏に文化祭をやるなんて、翔さんの通う大学は変わってるなぁ。


なんて思っていると、翔さんが私にチラッと視線を向けた。


その視線が、獲物を狙う獣のような鋭さを持っていたので、体が震えた。