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 ふと、部屋の隅に重ねられた箱が目に入った。おやじから渡されていた幸子の制服や教科書だ。チッ、めんどくせえなあ。俺はそれらをまとめて抱え上げ、隣の幸子の部屋へ行った。

 生意気にもドアが閉まっており、なんとか手を使ってドアを薄く開け、後は面倒だから脚で押した。ドアはストッパーに当たったらしく、バンッと大きな音がしたが、構うもんか。

 部屋の中を見たら、裸の幸子が立っていた。厳密には白のパンツとブラは着けていたが。幸子の肌は雪のように白く、ややもすると白い部屋と同化するんじゃないかと思った。

 幸子は着替えの最中で、常識的にはすぐに立ち去るところだが、幸子を虐める意味で、俺はずかずかと幸子に近付いて行った。幸子の裸体をもっと近くから見たい、という気持ちもあったし。

 俺を見て、幸子は大きな目を更に大きく見開いたが、悲鳴を上げたり、抗議とかはしなかった。早くも俺に対して従順になっているようで、いい傾向じゃないか。

 幸子は紺色の服で体の前を隠したが、隠しきれずに白い脇腹や尻や腿なんかが見えている。咄嗟に何かの童謡を思い出し、ニヤケそうになっちまったが、幸子は見た目より肉付がいいようだ。

「おまえの制服と鞄と教科書を持って来てやったぞ。ほら」

 俺は抱えてた箱とかを、まとめて床に放り投げた。ああ、重かった。