「…はぁー。」




窓の外には爽やかな緑が広がっており、とても清々しい5月の昼下がりなのに、私の口から出たのはため息だった。


この身体のダルさは、またやらかしちゃったかなぁ…。




「なになに、どうしたの?なんのため息!?」



休み時間、教室の片隅でついたため息に敏感に反応したのは、親友の結愛(ゆあ)だ。



「あ、いや…。


なんでもない。」



ヤバイ、一番聞かれてはいけない奴に聞かれてしまった。



そう思い、誤魔化してはみるものの、上手く誤魔化せた気は全くしない。



暫くの沈黙のあと、目の前の椅子に腰かけた結愛から心配と落胆が混ざった声が発せられた。



「もー、だから体育止めときなって言ったのに!」



そう言いつつ、結愛の手はすぐさまスマホへとのびる。