「あの子うざくない?


澄ました顔してさ、


どんだけ男に好かれたいんだって感じだよねー。」



「ほんとそれ。」



あぁ、また私のこと話してんのか。


私のこと大好きかよ。



「ね、さやもそう思うよね?」


「…」


「さや?」


「(´-﹃-`)Zz…」


「あ、寝てる。」


「まじ?やばっw」



あの子ほんとよく寝るなー。


授業中も寝てるし、夜寝れるのかな?





「ねーぇ、さや!起きて!喋ろ!」


「んあ?」


「あ、起きた!ね、話そ!」


「あー、うん…。」



眠たそうに答えてる。


本当は寝たいのかな〜。



「ね、今あの子のこと話してたんだけどさ、


さやはどう思う?あの子。」



「え?佐々木さん?」



「そうそう、どう思う?


やっぱうざいよね?


男に媚びてる感じがして私嫌い〜。」



「へー、


私は、そうだなぁ…、」




そう言いながらさやは私のほうへ向く。



つい目が合ってしまう。





「綺麗だよね。見惚れる。」





そう言いながら、



さやはふわっと笑った。

その目はしっかりと私の目を見ている。

目が、離せない。







私、今まで悪口言われても何も思わなかったのに、



どうして?



凄く、顔が熱い。




私は初めての感覚にびっくりし、

さやから目を背ける。





さやから向けられた笑顔が、



頭の中でずっと繰り返される。




なに、これ。