学校を出てしばらくした所で、桐ヶ谷くんが蹲った。





しまった!
熱出ていたのに歩かせ過ぎた!




「ご、ごめん!大丈夫?」






蹲る桐ヶ谷くんに駆け寄ると、汗だくの顔で見られた。




え、なんか怒っている?





「お前、さ、どういうつもり?いきなり腕引っ張って、こんなとこまで連れて来て」





「そ、それは……」





まさか、愛依に告白されるのが嫌だから連れ出したなんて言えない。





それじゃあまるで私が告白しているみたいだし。




「び、病院だよ!桐ヶ谷くん、凄く高い熱出ているし、ちゃんと病院行かなきゃ!」





「だったら、タクシーとか使えば良かったじゃねぇか」





うっ。
それはそうだけど……。






これ以外の言い訳が見つからないんだよ。







「そ、そこまで頭が働かなかっただけ!ほら、もうすぐだから行くよ!」






私バカだ。








自分の気持ちばかりで、桐ヶ谷くんが怒ることも考えてなかった。






こんな調子で、桐ヶ谷くんの傍にいても良いのだろうか。




「立てる?」




「あぁ。ちょっと楽になった」






さっきより汗も引いたみたいだし、何とか病院までは歩けるみたい。





病院に向かっていたわけじゃないから、近くに病院があって良かった。






正反対じゃ、怪しまれちゃうもんね。