空港に着いて、すぐに桐ヶ谷くんの姿を見つけた。
私は急いで、桐ヶ谷くんの所に駆けて行った。



“行かないで”なんて、そんなの無理って分かっている。
でも、これだけは。ずっと胸に秘めていたこの想いだけは言いたかったから。



「私、桐ヶ谷くんが好き!」
今まで恥ずかしくて、この関係が壊れちゃうんじゃないかと思って、言えなかった。でもね、今は自然に出てくるの。不思議だね。あんなに言うのに悩んでいたのに。



「意地悪な所とか、たまに見せる可愛い所とか、私を女子や不良達から守ってくれたカッコイイ所とか、優しい所とか、全部好き!言葉じゃ言い表せられないくらい大好き!」



少し桐ヶ谷くんが笑うだけで胸がキュっとなって目を逸らしちゃうのに、今日は桐ヶ谷くんの目をじっと見て言えた。



「だから、だから……」



「もう分かったから。ちょっと落ち着け」



今まで私の言葉を聞いてくれていた桐ヶ谷くんが、頭を撫でて優しい笑顔を浮かべてくれた。