ケータイ小説 野いちご

影を拾った太陽

一人の場所




昔から、控えめで地味で友達なんてろくにいなかった。声をかけようと思っても、人見知りな性格が働いて、どうしてもあと一歩が踏み出せない。




だから、高校生になって声をかけられた時は凄く嬉しかった。



だけど、その子は学年で一番の美女で男子からも女子からも人気がある子。





「光凛。ごめんね、今日も彼氏とお弁当食べることになったの」



彼女の名前は藤宮愛依。
ふんわりしていて愛らしい女の子。二年生になって隣のクラスの男の子に告白され、付き合うことになったらしい。





今まで何度も告白されているのに、どうして今回は付き合うことにしたのか、未だに謎なんだけど。



「良いよ。彼氏と仲が良くて何よりだよ」






愛依に彼氏ができてから、毎日一人でお弁当を食べるようになった。愛依以外に友達なんていないし、もちろん声をかける勇気なんてない。





「ありがとう!光凛大好き!絶対いつか一緒にまた食べようね!」




愛依はいつもこう言ってくれるけど、それが実現したことはない。





だけど、別に苛立ちはしない。一人飯も慣れて来たし。




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