それから二日後の日曜日。


珍しく梨華が、俺の住む町まで来ていた。


今朝はあまりつわりがなくて気分が良かったから、思い切って遊びに来てみたのだとか。


俺と梨華は、付き合って初めてデートらしいデートをした。


一緒にランチを食べたり、公園でのんびり話をしたり。


こんなに穏やかな気持ちでいられたのは、本当に久しぶりだった。


梨華の笑顔を沢山見られたし、俺も笑えたから、それはすごく嬉しかった。


夕食も外で済ませると、まだ帰りたくないと言う梨華を連れて自分の部屋に帰った。


「秀哉の部屋って、すごく綺麗だねー」


そう言って嬉しそうに、ソファーに腰を下ろす梨華。


その隣に、俺も腰を下ろした。


「ねぇ、秀哉」


「ん?」


「私、ここへ越して来てもいい?」


「え……?」


ここへ、引っ越して来る?


「うーん、どうかな。ちょっと厳しいかも。俺の部屋狭いし」


梨華のあの荷物が入るスペースなんて、どう考えてもないよな……。


「なんで急にそんなことを?」


「だって……。

秀哉の部屋って私の部屋から遠いし、ここに引っ越してくれば、もっと会えるかなって思って」


「あー……」


そうか。


俺にもっと会いたいと思ってくれたからなのか。


それって、俺をもう好きになってくれてるってことでいいのかな……。