ケータイ小説 野いちご

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【短】体育館で、裏切りを願ってる




――バシン!

――ダン!


今日も、体育館にボールの音が響く。
真っ白いバレーボールの音の中で、私はキミだけしか見えない。

今日も、僅かに開いたドアの隙間から、無断でこっそり見学中。


――ピピーッ!


「休憩ー!次はランニングだ!」

「「はい!」」


まったく、何が楽しいのやら。
笑っちゃうほど持久力がない私にとって、ランニングなんて縁を切りたくなるような単語だ。


「篠原(しのはら)、また来てんのか?」

「…あ、須藤(すどう)くん。…たまたまだよ」


同級生の須藤くんは、二年生にしてエースを任されている、実力者らしい。

マネージャーでもなんでもない私は、その辺はまったくわからないんだけど。
とにかくすごいらしい。


「いつもそう言ってんじゃん。バレバレ。好きな奴でも見に来てんの?」

「…っ、」

「え、マジで?」

「…誰にも言わないでね」





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