あたしは紫亜様の部屋に入り、ソファーに座って紅茶ラテを飲んでいた。もっと高いのもあるのですが、と紫亜様に言われてはいるけれど、この甘みが好きでそればっかり飲んでしまう。コンビニのカフェラテも美味しいよね!
紫亜様は椅子に座り、作業をしていたが、それを止めて、こちらを見てくる。紫亜様は優しくて好きだなぁ。
「〈吸血鬼〉、ですか」
「そうなのです。紫亜様にも勝てるって、すごく自信があるのですね!あと、会ったことあるような口ぶりでした」
「ふむ……。」
と考えるように、口元に手をやり、目を伏せる。すぐにはっと、こちらを見た。
あの吸血鬼とは対照的な蒼い、サファイアの瞳にドキッとする。とても、カッコイイ。思わず惚けてしまった。

「ええ、会ったことありますよ」
「そうなの!?」
「で、それがどうしました?」
「ちょっと気になったの!」
「そうですか。何処が気になったのですか?」
「むー。それぐらいかなぁ?」
「何かしてきませんでした?」
いきなり、眼光が鋭くなる。ひえっとはなったが、何があったっけ?と思考を巡らす。すぐに逃げていく普通の夢とは違い、すぐに思い出せた。
「キスされました」

「は?」


「ひえ、怒らないでください。」
「い、いや、菜結に怒っているわけではないよ?」
「そうなのですか!なら、良かったですーー。では、私は戻りますね!!」
私はボスの部屋を出ていく。なんか、様子が可笑しいけど、大丈夫!紫亜様なら、大丈夫に決まってる!


「あの、〈吸血鬼〉……。何年も囲ってきたのに、とうとう、気づかれたか。」
「もう一度、会う必要があるか」
「会いたくは、ないのだが」
飾ってあるライフルに近付き、それを撫でた。
「勝つしか、ない」