朝陽の射す教室で、ひとり自分の席につきうなだれているとポンと肩を叩かれた。


「おっはよー、アズにゃん。どしたの暗い顔して」

「おはよう梓。具合でも悪いの?」


登校してきた小鳥とミーナが、私を見て心配そうな顔をする。

昨日あまり眠れなくて、今朝鏡で見た自分の顔にはうっすらと隈ができていたから。


この不安をこれ以上溜めこんでおくことができなくて、気づけばぽつぽつとふたりに事情を話していた。


「お父さんの海外赴任で、お母さんも一緒に約一ヶ月、日本を離れることになったんだよね……」

「えっ!? じゃあアズにゃん、海外行っちゃうの!?」

「ううん。両親がいない間は、お母さんの知り合いの家にお世話になることになったんだけど」

「良かった。一ヶ月も梓に会えなくなるのかと思っちゃった」


ほっとした様子で微笑む小鳥に、悩み疲れた心が癒される。