その日、俺たち三人は近所にある公園を訪れていた。特に目的はないけど、今日は外で遊びたい気分だった。

「みつる!恋雪!バドミントンしようよ〜」

三人分のラケットを手にした凪沙が言う。

「わかった。負けた奴がジュースを奢ろうぜ!」と俺。

「シ!楽しそう!」と恋雪。

そして、バドミントンをするということが決まったその時、「上杉たちじゃないか!」と後ろから声をかけられた。

「伊達先生!」

凪沙が人なつこい笑顔を向ける。

「お久しぶりです!」

俺と恋雪は頭を下げた。

伊達先生は俺たちの中学校の先生で、俺と恋雪が入っていた剣道部の顧問もしていた。歴史の先生で、俺とよく歴史の話をしたっけ。

「先生はどうしてここに?」

凪沙が訊ねると、伊達先生は「息子と遊びに来たんだが、友達と会ってな。今はぶらぶらしているところだ」と苦笑い。

「じゃあ、歴史の話聞かせてください!」

恋雪がそう言うと、伊達先生と俺の目が輝く。

「いいのか!?」

「よっしゃあ!先生聞かせてください!」

俺は伊達先生をベンチに座らせ、自分たちも座る。バドミントンは歴史の話を聞いてからだ。