中央のステージを見守っていると、先ほどまでと同じようにテーブルがせり上がってきた。


しかし、そこに置かれていたのは……。


「ハナ!?」


檻に入れられた真っ白な子犬を見た瞬間、幸平が叫んだ。


子犬檻の中でせわしなく動き回り、時折悲し気な泣き声を上げている。


「嘘でしょ……」


思わず呟く。


今までは燃えてしまっても構わないようなものばかりだったのに、2週目になって動物が出て来るなんて思っていなかった。


「子犬って……」


理恵が呟く声が聞こえて来た。


さすがに驚いて、さっきまでのショックが和らいだようだ。


「冗談だろ!? ハナは生き物だぞ!!」


幸平が叫ぶ。


しかし、スピーカーからの返事はなかった。