それは中学3年の夏休みだった。


毎日35度以上の猛暑日が続いていたけれど、俺はトレーニングを怠らなかった。


朝6時に家を出て、3キロ先の神社までのランニング。


それからグラウンドに集まってチーム練習。


夕方にチーム練習が終ったら、そこから家までダッシュで帰宅。


チーム練習がない日だって、当然自主練をしていた。


俺は勉強ができなくて、普通のヤツができるようなことができなくて、とにかく周りに迷惑をかけてばかりで……。


そんな自覚はちゃんとあった。


だからこそ、野球と出会った時には救われたと感じていたんだ。