どこからか聞こえて来る低い重低音と、肌に感じる熱で目が覚めた。


ここはどこだろう?


うっすらと開けた視界に広がったのは真っ直ぐな通路だった。


灰色で無機質な通路が5メートルほど先まで続いている。


横幅は人が1人通れるくらいだ。


続いてその通路の左右に広がる炎の海。


炎は自分の両端からも燃え上がっていて、微かに音を立てている。


あたしはと言えば、丸いステージ上の物の上に立っていた。


両脇の炎はステージ上までは上がってきていないが、その熱のすさまじさに一瞬目の前が真っ赤になった。


それらを確認していると、徐々に自分の脳が覚醒されていくのがわかった。


「はっ」


小さく息を飲んで目を見開く。


もう1度、自問。


ここは、どこ?


目だけ動かして周囲を確認してみると、離れた場所に見慣れた木製のステージやスピーカーが見えた。