夢を見ていた。


あたしのお腹の中から、黒い化け物が這い出して来る夢だった。


化け物は痛みに呻き、泣いていて、それでも必死に這い出してくる。


もう少しだよ。


頑張って。


ごめんね、痛かったね。


あたしは化け物に向けてそんな言葉を投げかけていた。


どうしてだろう。


得体の知れない化け物なんて怖いだけなのに、ソレにはどこか愛おしさを感じていた。


「オギャー!オギャー!オギャー!」


化け物は3度泣き、そしてあたしを見てニタリと笑った。


「お母ちゃん」