「久しぶりやな。見ない内に少し痩せたか?」

烏丸が声を掛けると、真っ白な髪の男は彼を無表情のまま見つめた。白髪ではあるが、年のせいではない。見かけは俺達と同じくらいだろう。

「"Atack"のツリ目か。見ない内に肥えたか?」

お互い嫌味の言い合いで挨拶?
何気に似た者同士なんだろうか?

「こいつは青山刑事。今日はちょっとお前で実験したくて来たんや。」

「実験…だと?」
烏丸は男の入っている檻の鍵を開けた。

「"透明化"して逃げようとすんなや?
刑期延びるだけやし大人しくしとき。」

男はため息をつき、両手を挙げて何もしない事を意思表示した。

檻に入った烏丸は俺に鍵を渡して、
矢崎さんから受け取った"ある物"を取り出した。