一方、事故処理が終わった本部の烏丸は、
ある可能性を考えて捜査をまだ続けていた。

「本田さん、ありましたわ。」

「どれだ?」

もうすっかり辺りは暗いため、
本田刑事は懐中電灯で烏丸が差す方向を照らした。

「…引っ掻き傷、か。縄の跡か?」

メガネを直しながら目を見張らす本田刑事。

「鑑識入れましょう。やっぱりこの事故、なんかおかしいで…」

烏丸の呟きに本田さんが疑問を投げかける。

「いつ、変だと思ってたの?」

「死体見た時です。あのJKの子の指先と、お腹の所だけ細かい傷が付いてたんすわ。」

「……青山くんを呼んでみるか?」

「嫌やけど、出番のようっすね。」

烏丸のツリ目は、夜行性動物のように目を光らせていた…。