現れた。
中世ヨーロッパみたいな世界のある大都市で「呪い」の集合体が一つになったモノなのか?爬虫類が独特の進化をしたモノなのか?わからないが、そのドラゴン(みたいなの)は、いま、その世界に存在していた。商人の建物が両脇とする街路でだ。サイズが大きい為か、わざとなのか、猛威を放ち存在するモノを破壊していた。山積みの果物や昼飯用に売られているシチュー(みたいなの)が、ぶちまけられる。
売られている商品だけでも、ぐちゃぐちゃになった街路は、破壊された建物の粉塵で更に雲ってしまった。
崩壊する街路。逃げゆく街の人々。
一人の鷹匠がダメもとで、ドラゴンに鷹にする様にアクセスすると、ドラゴンは破壊活動を止めた。きゅるきゅる鳴きながら此方に頭を垂れる様は不謹慎だがかわいらしくもあった。だが、鷹匠は顔を寄せてきたドラゴンの両目を1本の弓矢で貫いた。弓を使わずに右手で貫いた。悶え苦しむドラゴン。矢じりを貫通させた両目が痛々しい。そのドラゴンにとどめの一撃を心臓に与えた。血飛沫をあげて倒れるドラゴン。見守っていた鷹匠の弟子の子供が 「貴方になつくそぶりをみせて居ました」なのに、どうして「残酷な殺しかたを」したのですか?と鷹匠を責めた。

「私以外に止める力が無い脅威は」私が止めをさすよりしかないだろうと

鷹匠は言って両目を貫通した弓矢を勢いよく抜き取った。赤い血しぶきが彼の体を汚した。弟子は可哀想にとその遺骸を抱きしめた後、破門を乞い鷹匠の前から姿を消した。