5月に入ったそんなある日。『魔法演習』という魔法を実際に使い、慣れていくための授業で、今日はクラス合同で授業をする(普段は1クラスだけで)。前回、魔法演習の先生が「浮遊魔法のテストを行う!」と言ったのだ。

しかし、先生は「今日は、ただのテストではない。この紙を配布する」と1人に1枚ずつ白紙を渡した。

「…今日は、魔法を使った町探検だ。この紙に今から魔法で書かれた場所に、それぞれ行ってほしいんだ。しかし、その場所以外では浮遊魔法しか許さない。地面に足を着いたらダメだ。俺が指定魔法しか使えない魔法をかけておくからな。その場所は、グループごとに変わるし、その地点には各先生にいるぞ」

先生が一通り話し終えると、先生は僕たちに魔法をかけた。他の魔法を使えなくする魔法だ。もうグループは、分けてある。僕、千晴、美影の3人だ。

「…この順番に回れよ。先生のチェックも受けろ。でなきゃ、20週走らせるぞ!」

先生が白紙に魔法をかけながら言う。突如吹いた風が僕らが羽織っている黒いローブをふわりと動かした。

僕らが羽織っているこのローブは、慣れない魔法や大きな魔法を使う時にかかる体への大きな負担を軽減させてくれるものだ。

20週も走らせる…って鬼じゃん。まぁ、普段は優しい先生なんだけどね。

僕が持っていた白紙に文字が現れた。刹那、先生が「魔法町探検、開始!」と叫ぶ。僕たちは、魔法をかけて空へと舞い上がった。