次の日、僕は千晴と一緒に帰路についていた。無事に一日を終え…ることは無理そうだ。僕と千晴の目の前には、悪霊がいる。

僕は、御札を悪霊に貼り付ける。悪霊は、御札とともに消えていった。近くにいた霊に微笑みかける。霊は、優しく微笑んでどこかへと消えていった。

「…あれ?深冬に千晴か?」

「琥白、瑠梨…」

僕は、2人の名前を呼んだ。千晴は「どうしたの?こんな時間に…」と首を傾げる。

「数学の補習を受けてた」

琥白は、慣れた表情でそう言った。僕は「瑠梨は?」と聞く。瑠梨は恥ずかしそうに俯き、「こ、琥白くんを待っていただけだよ…」と言った。

「なるほど…ねぇ。氷翠と瑠梨の間で何があったの?…何か、気まずそうな雰囲気だったし」

僕がそう言うと、瑠梨は暗い顔をした。琥白は「知らないのか? 」と驚いている。僕は、無言でうなずく。

「……変なことを聞いたかな。ごめんね、無理に――」

「私…話すよ。美影くんと同じように安心できそうだから…それに、このことを他の誰かに聞いて欲しかったから、聞いてくれて嬉しい…」

瑠梨は、何があったのか話を始めた。瑠梨さんの話をまとめると――

瑠梨は氷翠と中学生の頃からの親友で、仲が良かった。しかし、ある日両親の『瑠梨の成績が悪いのは氷翠のせい』『氷翠ちゃんなんか消えれば良いのに』という言葉をたまたま聞いた瑠梨は、両親に『氷翠と絶縁する』と言い、氷翠と別れた。

「…どうやって氷翠と別れたのさ」