不思議な少女が目の前に現れた時、僕は「…話は放課後、屋上で良いかな?」と言い、僕らは教室に戻った。

今は放課後で、僕たち6人は屋上に来ていた(氷翠たちも連れて来るように言われたので)。

黒髪の少女と金髪の少女の首には、霊石で作られた首飾りがかけられている。

この首飾りのおかげで氷翠たちにも姿が見えている。金髪の少女は「最初からこうすれば良かったね」と明るい笑顔を黒髪の少女に向けた。黒髪の少女は「そうだね」とうなずく。

「えっと…君たちは?」

僕が2人に問いかけると、金髪の少女は「私は、美依!よろしく~」と明るい笑顔を皆に向けた。

「…私は、由美(ゆみ)。美依の双子の姉だよ」

黒髪の少女、由美が微笑みながら言った。

「実は――」

由美が何かを話そうと口を開いた時、悪霊が僕の目の前に現れた。悪霊は、僕の首に悪霊が手に持っていた刀を突きつける。

僕は、動きたくても動けない状態にいた。千晴も美影も悪霊に足止めをされていた。

僕はそっと物が壊れないように、音が聞こえないようにこの校舎全体を取り囲むように結界を張った。

「――我が命に従い、光を放て!」

美影が両手を重ね、悪霊に向かって両手を突き出して呪文を唱えると、美影の前に小さな魔法円が現れ、魔法円からたくさんの光の玉が現れた。その光の玉は、弾幕を張るかのように悪霊に向かって飛んでいく。